1999年11月30日
皆さんの幼い頃のお誕生日のご馳走は、さて、なんでしたか?ボクたちが子どもの時代は、誕生日会が幼稚園や学校だけでなく、多くの家庭でも催されていて、招いたり、招かれたりしていましたよね。
そうそう、一億総中流の時代でした。しかし最近は、この誕生日も個人情報だとか言って、学校での誕生日会は姿を消したようです。また、家庭でのパーティーも、「あの子は呼ばれたのに、うちの子は呼ばれていない。不当な差別だ。訴えてやる!」とまでは行かないでしょうが、それに近いことがあるようですし、ホームパーティーなどありえない、と言った経済的に苦しい家も増えたようで、誕生日会も昭和の遺物になる日も近いかもしれません。いやはや。
しかし、その楽しいはずの誕生日会において、子どもながらに辛かった経験があります。その原因は、誕生日会の定番メニューと言ってもいい「五目ちらし」にありました。酢飯の中に、エビや、タコ、煮アナゴ。そして干し椎茸や干瓢の煮しめ、茹でたニンジンに酢蓮根。それから竹輪や高野豆腐。さらに紅ショウガ。これがいい色を出すんですよね。そして最後に上からハラハラとかけられる錦糸玉子。
おぉ、これで、一挙にグレードアップ!まさにご馳走に変身!子どもたちは皆大好き!・・・と、思うなよ、大人たち!ボクは本当に嫌いでした。いやいや、その美しさ、華やかさは子どもながらに認めておりましたし、多分、お母さん方が手間ひまかけて作ったんだろうな、と言うことも理解しておりました。しかし、ダメなんです。
何が?どこが?って、それそれ、その干し椎茸がダメなんです。
味は・・・知りません。だって、味わって食べたことがないんですもの。なので、ダメなのはその味ではなく、見た目。どう見ても「ナ○ク○」に見えてしまうのです。あぁ、干し椎茸さん、ゴメンナサイ。
そこで、お友達の家で、この五目ちらしが出て来た場合は、どうしたか?あぁ、今でも覚えています。目をつむり、鼻から息をせず、ただ飲み込んでいたのです。もう、窒息しそうでした。ならば、お前の家ではお祝いの席に五目ちらしは出ないのかとお聞きですか?いえいえ、そんなことはありません。母はいつもボク専用の五目ちらしを作ってくれていました。そう!干し椎茸抜きの。
はい、はい!そうです!甘えん坊でした。お母さん、本当にありがとうございました。
(By エッセイシスト・KUNI61)
そうそう、一億総中流の時代でした。しかし最近は、この誕生日も個人情報だとか言って、学校での誕生日会は姿を消したようです。また、家庭でのパーティーも、「あの子は呼ばれたのに、うちの子は呼ばれていない。不当な差別だ。訴えてやる!」とまでは行かないでしょうが、それに近いことがあるようですし、ホームパーティーなどありえない、と言った経済的に苦しい家も増えたようで、誕生日会も昭和の遺物になる日も近いかもしれません。いやはや。
しかし、その楽しいはずの誕生日会において、子どもながらに辛かった経験があります。その原因は、誕生日会の定番メニューと言ってもいい「五目ちらし」にありました。酢飯の中に、エビや、タコ、煮アナゴ。そして干し椎茸や干瓢の煮しめ、茹でたニンジンに酢蓮根。それから竹輪や高野豆腐。さらに紅ショウガ。これがいい色を出すんですよね。そして最後に上からハラハラとかけられる錦糸玉子。
おぉ、これで、一挙にグレードアップ!まさにご馳走に変身!子どもたちは皆大好き!・・・と、思うなよ、大人たち!ボクは本当に嫌いでした。いやいや、その美しさ、華やかさは子どもながらに認めておりましたし、多分、お母さん方が手間ひまかけて作ったんだろうな、と言うことも理解しておりました。しかし、ダメなんです。
何が?どこが?って、それそれ、その干し椎茸がダメなんです。
味は・・・知りません。だって、味わって食べたことがないんですもの。なので、ダメなのはその味ではなく、見た目。どう見ても「ナ○ク○」に見えてしまうのです。あぁ、干し椎茸さん、ゴメンナサイ。
そこで、お友達の家で、この五目ちらしが出て来た場合は、どうしたか?あぁ、今でも覚えています。目をつむり、鼻から息をせず、ただ飲み込んでいたのです。もう、窒息しそうでした。ならば、お前の家ではお祝いの席に五目ちらしは出ないのかとお聞きですか?いえいえ、そんなことはありません。母はいつもボク専用の五目ちらしを作ってくれていました。そう!干し椎茸抜きの。
はい、はい!そうです!甘えん坊でした。お母さん、本当にありがとうございました。
(By エッセイシスト・KUNI61)
更新日:
2016-03-01 10:05:23