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素麺と麦茶の疑惑のコラボ

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素麺と麦茶の疑惑のコラボ

1999年11月30日
素麺と麦茶の疑惑のコラボ


夏。家の外ではジャージャーとアブラゼミが鳴き、家の中では夏の甲子園のテレビ中継が流れています。そんな内と外の境にある軒下では、風鈴が、時々思い出したかのように、チリチリ〜ンと鳴る。


祖父が下着とステテコ姿で「暑いなぁ〜」と呟き、団扇を慌ただしくパタパタと煽ぎだしたのが合図。

母が「お待たせしました」と硝子の容器に入った素麺を持ってくる。メンツユも当然、硝子の器に入っている。
その横には、カルピスの景品でもらった、これまた硝子のコップに氷がカラカラと入っている。そこに冷蔵庫で冷やしていた麦茶を注ぐと、氷がパキパキと割れる音。いっぱいに注がれるのを待ちきれず奪うようにコップを持って、そのまま口に。ゴクリ、ゴクリ、ゴクリン。


自分でも分かるほど喉が鳴る。横では、早速祖父が、ズルズル、ズルリンとツユを飛ばしながら素麺をすする。あぁ、夏の昼間の食卓は、数多くのオノマトペで溢れているのでありました。そして、何より夏には素麺と麦茶がよく似合うのであります。


しかし!30年経った今だから懺悔します。それは、ボクが大学生だった頃。その頃、ボクは兵庫県・宝塚市にあったキャンプ場で“キャンプ場のお兄さん”をしていました。そのキャンプ場の目玉の一つが「親子キャンプ」。市内から遊びに来た親子たち約30組が1泊二日でキャンプをするのです。

夜、キャンプファイヤーも終わり、火照った身体を冷やすのに配られるのが、素麺。星空の下、野外ですする素麺も美味しい・・・はずでした。(汗)

ところが、素麺と合わせて配るはずのメンツユを入れたお鍋を、何と、蹴飛ばしてしまったのです。無情にも、あっと言う間にグラウンドに染み込んでいくメンツユ。
さて、困った。どうししょう?そこで、閃いたのが、メンツユの代用品を配ること。
そう、メンツユと同じく冷蔵庫で冷やされていた「麦茶」を何食わぬ顔で、メンツユとして配ったのです。

「あれ?このツユ、薄くない?」
「そうですか?でも、よく冷えているでしょ」
「うん。そうだね。よく冷えているね」

何人かにこんな質問をされましたが、幸い、灯りは月と星の光だけ。器に入っている液体の詳細を見極めることは至難の業。ボクは、こうして笑顔で切り抜けたのです。

それにしても大半の親子は美味しい、美味しいと食べていたなぁ。だからと言って、今、素麺を麦茶で食べる勇気はありません。皆さん、本当にゴメンナサイでした。


(By エッセイシスト・KUNI61)

更新日: 2015-12-01 09:41:25