嗚呼!バレンタインデー

1999年11月30日
嗚呼!バレンタインデー


思い出したくもない思い出。それは中学1年生のとき。教室で友達とお喋りをしていると、女の子が訪ねて来て、「これ!」と手渡されました。ボクは「あぁ、これか!(喜)」と思いましたね。まさに、初体験だったのです。

ところで、皆さんが子どもの頃にはありましたか、こんな風習?いつからなのでしょうか?2月14日は「聖バレンタインデー」と言って、女の子が好きな男の子にチョコを渡す日となったのは?ボクが中学生の頃は1970年代半ば。この頃からなんでしょうか?ネットで調べてみると、こうありました。


日本で初めてバレンタイン用のチョコを発売したのは、神戸のあのモロゾフなんだそうです。今から実に84年も前の1932年・昭和7年のことでした。お菓子業界や、小売業界を巻き込んで大々的に2月14日にチョコを贈ろうとなったのは、もちろん戦後のこと。1960年代に入ってからのことのようです。
そして、それが定着したのが、1970年代と言うことですから、ボクは、ちょうど本格的なバレンタインデー“第一世代”なのであります。

しかしそれだけに、当時は贈る方も贈られる方も慣れていないことから、時に『事件』が起きるのです。冒頭に書き始めたエピソードがまさにそうでした。女の子から渡されたチョコを受け取り、ボクはこう言いました。「あぁ、ありがとう。嬉しいよ。こんな立派なチョコのプレゼントなど貰ったことないよ」と。すると、女の子は、突然困った顔をし、こう答えたのです。「あっ、ごめんなさい。


それは、同じクラブの○○君に渡して欲しいの。でも、もちろん、貴方の分もあるわよ。こっち」と、改めて渡されたのは、今もある不二家の『ハートチョコレート』。

そこまで差をつけるか、と思いましたね。加えて「渡す順番が違うやろ」とも。まず、ボクに渡して、それから友達の分を渡すのが礼儀だろ、と。

しかし、ウブだったボクは、もちろんそんなことは言えず、「あぁ、う、うん」と答えただけ。その子と一緒にやって来ていた女の子のグループからは(どうして、女の子と言うのは、こんな時にもグループで行動するんでしょうか?)小さい声で「あっ、間違ったんだ(笑)」と言われる始末。

誰だって、その渡し方なら間違うに決まっているやろ。あぁ、思い出したくもない思い出。しかし、そんなことに限って忘れられない思い出。青春のなんともカッコ悪い思い出。しかし、そんな思い出を今思い出せると言うことは、幸せなのかも知れないなぁ。


実は、ボクは今でもこの「ハートチョコレート・ピーナッツ」が一番好きなのです。まさに、青春の味がするからです。


(By エッセイシスト・KUNI61)

更新日: 2016-03-01 10:05:09